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そば一如庵

リンデンが新聞の切り抜きを見せながら、宇陀の一如庵に行こうと言う。
ミシュランガイドに3年連続で1つ星を獲得したそば屋だと言う。
そんな店なら予約しなくちゃというが電話をするそぶりを見せない。
少し時間がたってから「どうするの」と聞くと「調べてくれたんとちゃうん」と切り返される。
食べログを見てランチは2部の入れ替え制、電話した時間は11時前だったので
遅い方の13時しか間に合わない。
その13時からだと昼の膳のコース3500円が用意できるという。

自宅がある大和高田からだといつもの青山高原に行く道、中和幹線をひたすら東に向かい、
榛原で165号線から国道369号線を曽爾、御杖方面へ向かう。
川沿いを走った国道沿いに一如庵はあった。

一如庵外観

横殴りの風に雪が流されるあいにくの空模様、外気温は2度と低い。
昼間なので雪が積もる事はないだろう。
庭に植わっている立派な松越しに雪が降り風情がある。
一如庵庭


建物はご主人が住んでいた実家を10年前にリフォームしたという。建てて150年になるらしい。
4間を解放して広間にしている。二間は畳を残しもう二間は板間にしている。
入ってすぐ右側が囲炉裏の席、奥二間が座敷で4人席、二人だったので縁側を使った
窓よりの席に案内された。
少し早めに着いたので1部のお客様が2組程歓談していた。
蕎麦を揚げたかりんとうに似た菓子と蕎麦茶が運ばれて来た。
一如庵蕎麦かりんとう

1時になっても食事は始まらない、どうやらもう1組を待っているらしい。
ほどなく4人組が席をついてから食事が運ばれて来た。

一如庵板そばろ丸美大根炊き合わ

最初は、丸美大根と板そば、小松菜、椎茸の炊き合わせ。
かつおの風味と椎茸の香りが伝わる。丸美大根は蕪に似て身がつまっている。
温かい料理でうれしい。中皿に盛られているのでだしを飲むのに金属製のスプーンが
添えられている。ここは木のカラトリーを使ってほしいところとリンデンがダメをだす。

一如庵小鉢盛り2

次に運ばれて来たのが白木の板を使った粋な演出。
盃に盛られたかわいらしい料理がいく種類も乗っている。

奥右から
カリフラワーとレンコンの胡麻酢
フルーツトマト、スナップエンドウ、白髪ネギ、酢みそ和え
京にんじんの白和え、春菊のペースト添え
ヤーコンのきんぴら風、
山芋のアオサ乗せ、
手前左から
湯葉と黒豆 白みそ仕立てで温かい、
トールグラスは、白菜、生きくらげ
赤かぶ、レッドキャベツ、玉露茶の佃煮、
箱寿司は、湯葉、菜の花、生姜、上に柚子

この料理だとさすがに日本酒が欲しくなる。
淡麗辛口の吟醸酒のぬる燗、または特別本醸造の熱燗あたりが飲みたいと思う。
最近木工にはまっていることもあり、白木の台には興味深々。
横は28cmほど、奥行きは10cmほど、高さは手前の低い方が3cmほどで
奥の高い方が6cmほどだろうか。材質は多分桧だろう。
直接料理を乗せているが手入れは簡単だという。表面はラッカーなどで
処理されているのだろう。側面は舟形になるように斜めにカットしている。
この辺りは手切りのノコではできないので角度が調整できる丸ノコが必要になってくる。

一如庵てんぷら

次が天ぷらで、舞茸、干したサツマイモ、それに菜の花の磯辺揚げ。
菜の花は海苔で巻いて、巻き寿司状にしてから揚げその後カットするという。
切り口の緑色が鮮やかで美しい。添えたからし醤油をつけて戴く。

一如庵更級そば盛り

次にそばが登場した。
盛りそばで10割といっているが3%だけつなぎを加えるという。
麺のゆで加減は過去の人生の中で最も硬かった。
フィレンチェで食べたパスタもエッと驚く程硬かったがそれに負けず劣らず硬い。
間違いではない、きっとこうなんだろうと言い聞かせながら
食べたが締めすぎて冷たくそばの香りがすぐに伝わってこない。
寒い日だったから水も冷たくよく引き締まったのだろうと解釈した。
そばつゆはやや辛口、わさびをつけながら食べる。
そばの風味を残すためにつゆやわさびをつけすぎないようにした。
10割そばだとパサツイてぼそぼそと切れると聞くが、それはなく細いが一本一本が
しっかりとしている。切れることもなくかめばもちっとした感触もある。
盛りつけもきれいでそば打ちの腕の確かさが伝わってくる。

一如庵酵素玄米

その後は締めのご飯で、酵素玄米だという。
玄米にあずき、酵素を加え炊き、毎日一回混ぜながら4日間置くという。
段々と色が濃くなり赤飯のような色合い、餅米のようなもっちりとした
歯ごたえが生まれるという。
オープン当初は玄米食ブームでこういった食べ方が紹介されたらしく、
オープンからこのスタイルらしい。
私は平気だが、特有の発酵に由来する香りと酸味が残る。
香の物は、白菜と昆布、日野菜の二種。
そばの香ばしい余韻を残すには、炊きたての白ご飯に、ヤーコンのきんぴら風、
あるいは玉露茶の佃煮、それに少しの香の物でも良いのではないかと思う。

デザート2

デザートは、吉野葛を使った葛餅だが焼いており温かい。黒蜜に絡めて食べる。
温かい葛餅を食べたのは初めてだった。吉野の玉露が添えてある。
玉露にしては色も薄く甘みも少ない。上煎茶止まりと感じた。

会計の時に、扱っている酒の銘柄をご主人に聞いた。
宇陀なので久保本家?と聞いたがいえ、小さい蔵元ですが、倉本さんだという。
帰って調べると都祁村の金嶽きんがくという銘柄で
原料米は夢山水、精米歩合50%の純米で淡麗辛口とある。
精米歩合だけを見れば大吟醸の規格に達しており申し分ない。
他に黒龍、梵など。
焼酎は麦、芋、米だが銘柄は多いという。
ご主人は白ワインが好みで店に合うワインを探しているが酸味が少なく
日本料理に合うものが少ないという。ソービニオンブランをと薦めたが
普段あまり白ワインを飲まないので果たしてそれで良かったかと反省している。

昔長龍の広告を担当している頃に上司が大好きだった落語家の桂枝雀さんはどうかと
打診したことがあった。広告代理店から彼は池田の呉春しか飲まないので無理だと答えが帰ってきた。
一杯飲んで蕎麦を食べるのが大好きだとうことで夕方になったら甘いものは一切口にしないと聞いた。

また、ミシュランに最初にノミネートされた時は自薦ですかときくと、知らない間に利用したらしく
撮影の取材依頼がきたが結果はガイド本が出版されるまで知らされなかったという。

久々にわくわくした時間を楽しんだ。
リンデンも料理教室の参考になったという。
それにもてなしの心意気といい申し分ない。地の利は決して良くないが
だんだんと口コミが広がり予約が取れない店になるだろう。
京都では外国人が家族で蕎麦を食べてにくる時代だ。
彼らが一如庵にやってくる日もきっと近いことだろう。

一如庵 蕎麦・菜食
奈良県宇陀市榛原自明1362 電話0745-82-0053
昼の膳は、3500円、4500円。夜は、6500円(予約制)
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ジャズ喫茶のマッチ

  • Day:2015.01.15 12:21
  • Cat:音楽
リンデンが写真を整理したらといい数冊のフリーアルバムを引っ張りだしてきた。
懐かしい写真を眺めていると最後の一冊はマッチのファイルだった。
自分でもすっかり忘れていたジャズ喫茶のマッチだ。

ジャズ喫茶のマッチ

大学一年の時に放送研究会に入り江頭氏の影響を受けてジャズを聴くようになった。
最初にいいと思ったのは「クールス・トッラッティン」だった。それからは
レコードの蒐集に凝り学生時代に300枚のLPレコードが集まった。

学生時代を4年間過ごした佐世保には米軍の基地があった。米兵相手の
商売もありいかがわしいネオン街もあった。そんな一角にジャズ喫茶
「ダウンビート」があり時々出入りしていた。外人も多く中には
ウインストンという煙草を指が焦げるんじゃないかと心配するほど
短くなるまで吸っていた黒人もいた。彼にヘイ、ボーイと呼ばれ
煙草をもらったこともある。

大学の夏休みには東京の姉達を頼り建築工場のアルバイトをして小遣いを稼ぎ
そのお金で新宿や渋谷、吉祥寺の名だたるジャズ喫茶に入り浸った。
姉の一人の和美さんは美容師だったがこの人がしゃれていた。
郷里の日田に帰ってくる時も月餅という中華菓子や茶葉と専用の紅茶ポットなどを
土産にする人だった。ジャズも好きと言いグレンミラーなどのレコードを
持っていた。彼女の練馬の家に宿泊し吉祥寺までバスで通ったりもした。
大阪にも姉がいてその当時は尼崎に住んでいたのでここから京都に通った。
「20歳の原点」の著者高野悦子が通った「しあんくれーる」にいったりもした。

飯田に就職した最初の年は、小売りのやまとに配属された。寮は奈良市の
学園前にありジャズが好きだという話から黒田先輩と同期の島田の3人で
たびたび京都にいった。島田は大学が京都だったのでジャズ喫茶インパクトで
アルバイトしていたといいマスターとも親しく彼からライブのチケットを
買いソニーロリンズなどのライブにもいった。彼にもいろいろ影響を受けた。

初のボーナスで買う事になったアンプを指定したのも島田で、管球式の
ラックスマンだった。奈良から電気街の日本橋に買いに行った。
黒田先輩も一緒で20キロ近いアンプを三人代わりばんこに近鉄電車で
持ち帰った。

店にいったらジャズ喫茶のマッチを必ずもらって帰る事にしていた。
一時は下宿先の壁に押しピンで差込みパネルのように飾っていた。

社会人になり引っ越す時にこれはというマッチだけをアルバムにしたようだ。
自分でもすっかり忘れていた「青春の思い出」。
今回をこれを機会にすべて捨てる事にした。
思い出深い4軒のマッチだけはスキャンしてデータで残す事にした。

弥三郎窯 北川宏幸氏

  • Day:2015.01.06 06:43
  • Cat:工芸
たくみの里のイベントでお会いするのがタイトルの弥三郎窯の北川さん。
いつも穏やかな表情で対応してくれる。

イベントではB品と言われる品々が1000円ぽっきりで売られたりする。
私のお目当てはもっぱらそれらの作品で、開始早々にめぼしいものを
物色しいち早く買って来る。おかげで焼酎のマグカップや
日本酒の半酒器、ご飯茶碗などだんだんと手持ちが増えてきた。

老松で仕事をしている時に「おこげ」という焙煎麦を使った麦焼酎の
チラシを作ることにした。その時イメージしたのがおこげ=焼〆の器で、
この写真となった。

円熟おこげ (10)

本当は濡らした質感を出したかったが、お湯割りに
するのですぐに表面が乾燥してしまう。櫛で書いた絵柄が、何となく
麦の穂を彷彿とさせるのでいい雰囲気になったと自負している。

背景は、老松のふる里、日田杉をバーナーで焼き杉にしたもの。
これは自宅の駐車場で焼いた。
焦がし麦のイメージを伝えようと苦心した写真になった。

北川さんの焼き〆の器はもっと手が込んでいるし芸術的だし、
価格もそれなりにする。京都を代表する陶芸作家の一人で
全国の主要な百貨店で個展を開いているほどの人だ。

詳しくは、京都陶磁会館の紹介文をご覧下さい。
http://kyototoujikikaikan.or.jp/closeup/2012/06/13/889/

円熟おこげは、限定流通商品で取扱店が限られています。
ご入用の方は老松へお問い合わせください。